オペラ「椿姫」のはなし

カテゴリー クラシック音楽の世界

先日、オペラ椿姫を見てきました。

そんなわけで、オペラ椿姫に関して少し書いてみます。

3分くらいで解る「椿姫」のあらすじ

舞台は19世紀、パリ。

金持ちのパトロンと豪華な生活をする高級娼婦のヴィオレッタのパーティに富豪の息子アルフレードがやってきます。

ヴィオレッタに恋焦がれるアルフレードは、肺を患うヴィオレッタを想い「あなたを守りたい」と告白します。

その熱烈なアプローチに心が揺らぐヴィオレッタは白い椿の花をアルフレードに手渡し、また明日会う約束をするのです。

そんな出来事から3ヶ月後。

ヴィオレッタは高級娼婦の身を捨て、二人はパリ郊外で仲睦まじく幸せに暮らしていました。

ヴィオレッタは自分の財産を売り払いながら生活を続けていましたが、それを知ったアルフレードは、生活資金をどうにかしようとパリに出かけていきます。

アルフレードが出かけたところに、ヴィオレッタを訪ねてきたアルフレードの父ジェルモン。

ジェルモンは息子が悪女に引っかかって、財産を貢がされていると思い込んでいたのでヴィオレッタを侮辱するような態度を取っていますが、ヴィオレッタと話をするうちにヴィオレッタの献身的で、純粋な愛を持っていることを知ります。

しかし、それでもジェルモンは高級娼婦と関係があることでアルフレードの妹の縁談が破断しそうであることを理由に「どうか永久に息子と別れてほしい」と懇願します。

ヴィオレッタは拒んでいましたが、結局押し切られてしまい「私が愛のために果たした犠牲を忘れないで。私を娘だと抱きしめてください」とアルフレードとの別れを決意し、アルフレードに手紙を残して出ていきます。

パリから戻り、ヴィオレッタの手紙を読んだアルフレードは新しい恋人を作ったのだと勘違いし、高級娼婦に戻り、パトロンと一緒にいるヴィオレッタのところへ復讐するといって向かいます。

そして、パーティに来ていた客たちの前でヴィオレッタを罵倒し、札束を叩きつけます。

 

そんな出来事から1ヶ月後・・・

ヴィオレッタに死が訪れようとしていました。

父ジェルモンからすべてを聞かされたアルフレードがヴィオレッタに謝罪するために戻ってきます。

二人は再会を喜びますが、ヴィオレッタはその直後に息を引き取るのでした。

 

「椿姫」のみどころ

私が考える見所の数々はヴィオレッタが発する言葉の数々だと思っています。

全体の音楽やアリアが美しいのはもちろんなのですが、

歌われているヴィオレッタの歌詞が本当に美しい。と、思っています。

字幕を追いながら見るのはなかなか大変ですが、

彼女のを言葉を噛み締めながら見て欲しいオペラだなぁと思います。

イタリア語がわからない場合は、観劇前に対訳に目を通しておくのがおすすめです。

 

ジェルモンから別れ話を持ちかけられて別れを決意したヴィオレッタ

Dite alla giovine – sì bella e pura
美しく、純潔なあなたの若い娘さんに伝えて、
Ch’avvi una vittima – della sventura,
不運の中に、犠牲を払う女がいることを

Cui resta un unico – raggio di bene
わずかに輝く光しか残されていないのに

Che a lei il sacrifica – e che morrà!
あなたのために犠牲になり、死んで行くと!

 

など、美しい日本語訳が付けられているせいもありますが

こういうヴィオレッタの言葉ひとつひとつが私は大好きです。

偏見を持たれながらも、凛と自分の愛に生きる女性像は現代の人々の心にも響きますね。

「椿姫」に物申す

「ダメすぎるやろ・・・オトン(ジェルモン)とボンクラ息子(アルフレード)。」

もちろん、そんなダメな二人がヴィオレッタの美しさを際立たせているわけではありますが・・・

まず、オトンはあまりにもエゴイストです。

そして、アルフレードは純朴そうな振りをして、ものすごく短絡的な行動をとる上に、すぐキレる。

世間知らずの浅はかな男性です。

正にこの親にしてこの子あり・・・

ホント、どっちもどっち。

ヴィオレッタの様な美しい女性が愛を捧げる相手なのに

もうちょっとなんとかならなかったのか・・・と思わずには言われない。

最後にヴィオレッタは愛する人に看取られ、

幸せな気持ちで息絶えていくのですが、

あまりにアルフレードがダメな男過ぎて、

二人の純愛に涙するというよりは、ヴィオレッタの誇り高き生き方に涙するといった感じです。

この辺は演出によっても見え方は変わってくるのかもしれませんが・・・。

本当に残念な男どもです。

「椿姫」の初演が失敗した理由

ヴェルディは椿姫の作曲に着手してわずか2ヶ月ほどで完成させたそうです。

そして、椿姫は1853年にヴェネツィアのフェニーチェ劇場という劇場で初演されました。

この初演がえらく不評だったと言われています。

何故だと思われますか?

実はこの初演でヴィオレッタを歌ったファニー・サルヴィーニ=ドナテッリというソプラノ歌手はぽっちゃり体型でとても死にそうになかった為、会場から失笑が漏れたと言われています。

ヴェルディは事前に配役の際にドナテッリに歌わせたくないというような手紙を書いていたそうですが、初演ではドナテッリが歌うことになったのだそうです。

その1年後、ヴェネツィアのテアトロ・ガッロでキャストを替えての公演では大成功を収めたそうですよ♪

ヴェルディも自分の楽曲のせいで失敗したのじゃないと証明されたようで、ホッとしたでしょうね。

「椿姫」の花の色

椿姫のチラシをWebサイトで検索すると様々なデザインのチラシが出てきます。

これだけ人気作品ですから日本各地で様々な団体によって上演されているので当然ですね。

椿姫というだけあって、椿をデザインに使っているチラシが多く見られます。

「赤い椿」と「白い椿」のチラシがあると思いますが、

この花の色には意味があるとされていて、ここに作り手の思惑があります。

ヴィオレッタが劇中で花を渡す際に使われれるのは「白い花」です。

ここで「赤い花」を使っていることはないと思われます。

高級娼婦であるヴィオレッタですが、

月25日は白い花で「営業」、月5日は赤い花で「休業」という意味があったらしいです。

 

「明日会いに来て」と言って渡す花なので基本的には「白い花」ということになってるそうです。

でもオペラ椿姫の華やかなイメージと目立つ色合いということで、

赤い椿をあえて使っているチラシも多いのかもしれません。

 

独断と偏見を含んだ解説ですが、根底には深い愛がありますので、異論はご遠慮下さい。笑
そんな考えもあるんだなぁ程度に読んでいただけたら嬉しいです♪

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